熊本の復興を願って、餅つきイベントを開催

一般社団法人ひかりプロジェクトとしての初めての被災地での支援イベント「餅つきと歌う会のイベント」を、3/25〜26の2日間、熊本地震の被災地で実施いたしました。場所は益城町で2ヶ所、西原村で1ヶ所の仮設住宅で活動を行いました。参加したボランティアは宮城県気仙沼市、首都圏、山口県宇部市、隣接の福岡県、大分県から24名でした。

 益城町は震度7の地震に2回も見舞われるなど、熊本で最も被害の大きかったところで、被災した建物はほとんどが解体撤去され更地となっていましたが、道路脇の電柱などはいまだに傾いたままのものがあちこちに見られました。町内には18ヶ所、合計約1,560戸の仮設住宅があり、被災者の方々は不自由な生活を強いられています。

3月25日(土)10時〜12時 安永東仮設住宅(熊本県益城町)

 

 「みんなの家」(集会所)を会場に、お餅を2臼つき、大根おろし餅、きな粉餅、安倍川餅にして皆さんに召し上がって頂きました。その後、吉見文男・美紗子ご夫妻(神奈川県横浜市)の指導でみんなで歌を歌いました。手作り歌集が配られ、童謡や懐かしい歌から最近の歌まで14曲を歌いましたが、はじめはなかなか声が出ず、2班に分かれての歌合わせ(童謡「桃太郎」と「金太郎」の歌を交互に歌う)をおこない、そこから俄然盛り上がり、歌声が集会所に響き渡り一体感が生まれました。その後は、ジャンケンゲームで景品をゲットして頂き、和やかなひと時を過ごすことが出来ました。

 

 

 3月25日(土)午後2時~4時 木山上辻仮設住宅(熊本県益城町)

 

 仮設の子供たちも餅つきに参加し、2臼をつき、「みんなの家」でつきあげたお餅をこね、美味しく頂きました。こね手には住民の方も参加され、みんなで作り上げた餅つきイベントとなりました。満腹になった後、同様に「歌の会」と「ジャンケンゲーム」で楽しい時間を共有することができて、ボランティアスタッフも元気を頂くこととなりました。

 

 

  3月26日(日)小森第3仮設団地(西原村)

 

 この仮設団地は1ヶ所に集約して建設されている大規模な仮設団地で、今回イベントを行った小森第3団地だけでも87戸あり、隣接の住宅を合わせると全体では約312戸の仮設住宅です。

 大規模仮設住宅で人数が多いことから、ここでは最終的に10臼つき、ついたお餅をちぎったりこねたりの作業を、住民の方々が率先して行ってくださり、文字通り昔取った杵柄で、みるみるうちにお餅が配られて行きました。住民の方々も、自分たちで出来ることはさせてもらいたいという思いで参加してくださり、お互いに交流し、共に作り上げた餅つきイベントとなりました。

 その後は、吉見夫妻の指導による歌の会が始まり、みんなの家(集会所)の椅子が満席状態の約40名で歌を歌い、予定した14曲以外にも歌のリクエストもあり、大いに楽しんで頂けたようです「普段大きな声をあげたり、歌ったりすることがないので、久しぶりに大きな声で歌い、楽しかった」という声があちこちで聞こえました。そして、ジャンケンゲームで景品をゲットして頂き、大勢子供たちも参加して大いに盛り上がりました。住民の方々の参加は入れ替わり立ち替わりで正確には把握できませんでしたが、延べ150名近くの方が参加されたようです。住民の方との別れ際、また次回も来てくださいという声があちこちで聞こえていました。

 

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最後に、仮設住宅にお住いの方から今の心境をお聞きしました。 

 「昨年4月14日、16日と思いも掛けない地震にみまわれ、益城町も人口流出が止まらず、先の見通しが立っていない。」「自分の弱音を出すと壊れるので、せめて笑顔でという九州女の気性で明るく振舞っているが、皆不安な気持ちを持っている。」「今回、遠方から、また隣接県からこの地に来て下さることが、崩れそうになる私たちの心を支えて下さる。あのお餅の一つひとつが、皆さんの生きる力になったかもしれない」と、被災地の一人としてお礼の気持ちを語っておられました。(益城町の仮設住宅にお住いのYさん)

 

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 今回、熊本での『餅つきイベント』を開催させていただくに当たり、多くの方々からのご支援・ご協力・お祈り添えを頂き、予定しておりました日程を無事に終えることが出来ました。おかげさまで仮設住宅の皆様には、僅かでもお喜びいただき、楽しい一時をお過ごし頂くことが出来たのではないかと感じております。

 改めまして、当日会場に足を運んで下さいました住民の皆さま、全国各地から参加して下さいましたボランティアの皆さま、後方にてご支援下さいました皆さま、心より御礼申し上げます。